Ecco mormorar l'onde | ほら、波がささやいている |
E tremolar le fronde, | 木の葉が震えている |
A l'aura matutina, e gl'arboscelli; | 朝のそよ風に小さな樹々も。 |
E sovra i verdi rami i vagh' augelli | 緑の小枝の上で愛らしい小鳥たちが |
Cantar soavemente, | 甘く歌っている、 |
E rider l'Oriente. | そして東の空がきらめき始める。 |
Ecco, già l'alb' appare | ほら夜明けが姿を現し |
E si specchia nel mare | 海の上に反射している、 |
E rasserena il cielo, | 空が晴れ渡る |
E imperla il dolce gielo, | 朝露は真珠のようう、 |
E gli alti monti indora. | そして山々は黄金色に染まる |
O bella e vagh' aurora, | ああ、美しい暁よ、 |
L'aura è tua messagiera | そよ風はお前の使者、 |
E tu de l'aura, | そしてお前はそよ風の使者 |
Ch'ogn' arso cor ristaura. | それはすべての渇いた心をよみがえらせる。 |
今現代のネット文化では、なんでも調べ出すと止まらないですね。エッコの歌詞をチェックしようと思ったらいろいろ面白いことが出てきました。歌詞の何通りが見つけ出したら、結構バラツキあるようです。第一の理由は、詩の時代から経った何百年でしょう。そのため、英語、日本語の訳だけでなく、(現代)イタリア語のパラフレーズもあります。
さて、初めにいろいろなページ...
イタリア語のパラフレーズ: もちろん、イタリアのサイトのが一番当てになると思われますが、これが明らかにミスだらけです。しかし、イタリア語の訳(parafrasi)は勉強になります。次に、このページが引用されたのは、Yahoo!の知恵袋(answers)のイタリア語サイトです:助けてください! (二番目の答えは、「宿題、自分でやれ!」です。)
英訳のある二つのサイト:musicalconcepts.net・octarium.org 両方の英語は、あまり感心できませんが、一番目につく問題は最初の単語です。そう、"ecco"には日本語の「ほら」がぴったりだと思いますが、英語にはぴったりの表現はなかなかないです。ここの訳、両方が "Here is..." にしたのは、どへたですね。無意味、詩的ではない、どうしようもないわけです。あえて言えば、 "Look!" "See!" でもつかいたくなりますけれども、「そよ風を見ろ」はダメでしょう。 "Hear!" か "Hark!" でも、なかなか聞こえるわけでもないし、ああ、英語に訳さなくてもよかった。
次の日本語サイトは和訳ありますし、私達コールエッコも出ています!geocities.co.jp
富んだバリエーションがあるのは、とにかくタッソーの詩は標準イタリア語ではないということです。彼は、ナポリ地方のソレントに生まれ、あちらこちらに引っ越したので、どこの言葉でしを書いていたか分かりません。でも、その後標準語になろうとしたトスカーナとはふれ合いはなかったようです。
ウィキペディア:トルクァート・タッソ イタリア語
その時代には、スペルのルールはかなり緩いようです。コールエッコで使用している楽譜には、例えば、使者(女)のmessaggiera, messaggera, messagera, 三通り出ています。
大きく変化している例は、3行目にあります。"gl'arboscelli" は、現代の書き方なら、"gli arboscelli" (gli=男子複数定冠詞)で、これは英語の "bush" (低い木、滋)と同じラテン語から来た言葉です。しかし、ネット検索すると、同じ程度の瀕数で "arborselli" になっています。全然違う発音!たぶん、これが方言、又は時代の違いでしょう。この辞書のページでは、何と、変化が30種類載っています。発音を間違えても、「まあ、ある地方の言いかただろう」と言い訳ありますね。
単語を伊和辞典で引いてもなかなか見つからない理由のひとつは、詩のために語尾があちらこちら削ってあるわけです。例えば、
取り合えず、
小山オペラで、イタリアオペラの合唱曲集演奏したときに作った イタリア語文法などについて